【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「あ、いや。とにかく今はお前の方が大事だよな。早く帰ろうぜ? 本当に襲われたらシャレにならねぇし」

 最後は冗談っぽく言ってニッと笑う忍野君。
 何か誤魔化された気がしないでもなかったけれど、特には気にならなかった。


 実際襲われたりなんかしたら折角愛良を助けに行った俊君が戻ってくる羽目になるかもしれないし。

 そんな事になったら意味がない。

 さっさと帰って、俊君が手配してくれるって言ってた別の護衛の人と合流しないと。


「うん、そうだね。立ち止まっちゃってごめん」

 謝りながら、私は忍野君と商店街を離れ家へと向かった。

***

 あれ?
 そう言えば家の方にいる護衛って誰なんだろう?


 家まであと少しというところでふと思った。

 俊君の話だと零士、浪岡君、石井君、そして田神先生。私が知ってる護衛の人や先生みんなが愛良の方へと向かっているはずだ。

 それならまったく知らない人が来るという事になる。


 ちゃんと護衛の人だって分かるのかな?
 もし護衛だって成りすましてる人だったら困るんだけど……。


 今更ながら不安になってきた。


「香月、お前ん家ってどこ? この辺だってのは知ってるけど……」

 周囲を見回しながら、どこまで送れば良いのかと聞いてくる忍野君。