闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 鞄を隠した子たちが盗ったのかと一瞬思ったけれど、あの貝殻が私にとってどれだけ大事なものかなんて彼女たちには分からないはず。

 わざわざ盗るとは思えない。

 何より、袋はあるんだ。何かの拍子で落ちてしまった可能性の方が高い。

 焦る気持ちの中、何とかそこまで考えた私は思い返す。

 巾着袋からも飛び出して落ちてしまうってことはかなり振り回したときのはず。

 となると、鞄で《あれ》を――ヴァンピールを殴ったときかもしれない。


「なら、この辺りに……」


 この辺りにあるはずだと見回す。

 でも、すっかり陽の落ちた路地の隅の方は月明りも届かなくて暗い。

 スマホを懐中電灯にして地道に探すしかなかった。