闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「ああ、止血はしたから大丈夫だろ。あとは他の人に任せるしかない」


 そう言って女性から離れ、私の所に戻って来た櫂人先輩はジッと私を見下ろした。


「……」

「えっと……櫂人先輩?」

「……恋華、お前今のを見て何も思わなかったのか?」

「え⁉」


 今の、というと女性の首筋に吸い付いたことだろう。

 もしかしてさっき覚えたモヤモヤした感情が櫂人先輩に知られてしまっている⁉

 なんて思って慌てたけれど、続いた彼の言葉にそれは私の思い違いだったことを知る。


「俺がその女の血を飲んだとこ、見たんだろ? 変だとか、怖いとか思わなかったのかってことだよ」

「あ……」


 そっちのことか、と思ってしまった。