闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 何? なんで、櫂人先輩はこんなこと……。

 今のって、血を飲んだ?


 その行為はさっき見た《あれ》とは様子が違うけれど、確かに吸血だった。


 櫂人先輩も《あれ》と同じ存在なの?


 その考えが浮かび、また別の意味で櫂人先輩を怖いと思う。

 でも、何故だろう。

 怖いという感情以上に、胸にモヤモヤしたものが渦巻く。

 とりあえず、やるべきことが終わったなら早く女性から離れて欲しかった。


「あの、もう大丈夫なんですか?」


 櫂人先輩が立ち上がったのを見計らって声を掛ける。

 女性が無事なのかも知りたかったし、どういうわけか早く意識を私に向けて欲しいと思ってしまったから。