闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 戸惑い驚く私に、櫂人はちょっと意地悪に笑う。


「なぁ、恋華?……その気になったんじゃないか?」


 櫂人の手が誘うようにわき腹の辺りを撫でた。

 確信犯だ。

 吸血して、私が気持ちよくなればその気になるんじゃないかって。

 そう思ったから吸血なら良いかって言ったんだ。


「櫂人ぉ……」


 騙したことを責めるように恨みを込めて睨む。

 けれど。


「悪い、でも本当に恋華が今すぐ欲しかったんだよ」

「むぅ……」


 あまりにも優しく甘ったるい笑顔で謝られて、毒気が抜かれてしまった。


「それに……」


 わき腹を撫でていた手が顎に移動し、親指で唇を撫でられる。


「そんな顔で睨んでも可愛いだけだぞ?」

「……もう」


 甘い熱で黒さが増したような櫂人の瞳に見つめられて、私は仕方ないなと彼を許した。