闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 すると櫂人は私を抱きしめたままソファーに座り、私の膝裏を持ち上げる。

 結果、私はソファーに座る櫂人の膝の上に横になって座った状態になった。

 背中を支えるように肩に腕を回され、かなり恥ずかしい。


「こっ、この体勢……恥ずかしいな……」

「はぁ……あんまりそういう顔するなよ。抑え、効かなくなる」


 そういう顔って、どんな顔⁉


 ため息一つすら色っぽくて、心臓がすでに持たなくなりそうだった。

 ドキドキして何か叫び出したい衝動に駆られるけれど、声は全部喉元で詰まってしまう。


 櫂人の硬く長い指が、肩にかかっている私の黒髪を払った。

 そのまま指が首筋をなぞって……。


「んっ……」


 ビクリと軽く震えた。