闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「戻ったら、お前と二人きりでいられなくなるだろ?」


 色っぽく囁かれて、こめかみに軽くキスをされる。

 妖しい色気に一気に体温が上がってしまった。


「も、もう。そういう甘い雰囲気はシャワーの後にして頂戴!」


 照れ隠しもあって軽く櫂人を押しのけた。

 少なくとも玄関でするようなやり取りじゃないと思うし。

 でも、櫂人の熱は治まらなかったらしい。

 リビングへと先に行った私の腕を掴み、軽く引かれた。

 背中に櫂人の胸が当たったと思ったら、そのまま後ろから抱き締められる。


「シャワーの後とか、待てねぇんだけど?」

「んっ」


 耳元で囁かれて、吐息が掛かってつい反応してしまう。

 でもダメだよ。