仕方なく家族から離れ様子をうかがうだけのつもりが、大橋のことを調べていくうちに簡単には済まないと知ったのだそうだ。


「大橋はハンターとしての地位も信用もあったから、ハンター協会に掛け合おうとしても無駄だった。彼の異常性を何とか調べてもらおうとしても時間がかかりそうで……」


 そうしている間に捕まってしまいそうな気配を感じたらしい。

 だから男として身を隠し、様々な場所を転々としながら大橋のことを自力で調べるしかなかったのだそうだ。


「そうして他の国にも行っているとき、半年前の事故に遭遇したの」


 半年前の事故。

 私の両親が亡くなった、あの事故だ。