櫂人の姿を見て、私の胸に希望が宿る。

 私が辛いとき、危険な目に遭おうとしているとき、いつも駆けつけてくれるのは彼なんだ。


「大橋、てめぇ……恋華を返しやがれ!!」


 叫んだ彼は、一直線に私と大橋さんの方へと向かって来る。


「なっ⁉ 櫂人くん? どうして君が⁉」


 驚きながらも櫂人の攻撃を避ける大橋さん。

 でも、私を捕まえている状況では思うように動けないのか苦戦している。


「《朱闇会》とハンター協会で昨日からずっと探してたんだ。そこに連絡が入ったんだよ! ここにお前が潜んでいるってな!」


 櫂人の説明に大橋さんはチラリと真理愛さんを見る。

 連絡をしたのは真理愛さんなのかもしれない。


「恋華から離れろ!」


 叫びながら櫂人は大橋さんに攻撃を仕掛ける。

 私に当たらない様にと気を使っているからなのか決定打には欠けるけれど、大橋さんも思うように動けないので拮抗していた。