闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「うっ……あ……な、に?」

「ん? ああ、始まったか。もうすぐ君はヴァンピールになるんだよ。その発作は直前の傾向だ」

「そ、んな……」


 大橋さんの説明に絶望が広がっていく。

 少なくとも二人はヴァンピールを作り出した彼の言葉だ。

 間違っているとは思えない。


「この状態になっては瀉血じゃ間に合わない。ヴァンピールになりたくなければ吸血鬼になるしかないね」


 ほくそ笑む、とはこういう表情のことを言うのだろうか。

 思い通りに事が進みそうな状況での微笑み。

 腹立たしくて、悔しくて、涙が滲んでくる。


「分かった! 分かったから! あなたの血の結晶を飲むわ。だから先に私の血を恋華さんに!」


 さっきまでの様子を見ても、真理愛さんは大橋さんのことが嫌いなんだろう。

 それでも彼の血の結晶を飲んで私を助けてくれようとしてくれる。