闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「だって仕方ないだろう? 君は家族が(かせ)になっていたんだ。そんな枷は壊してしまわないと、心置きなく私のもとへ来れないだろう?」


 まるでそれが当然のことだとでも言うかのように、大橋さんは躊躇いもなく壊すという言葉を使う。

 やっぱり大橋さんは狂ってしまっているんだろう。

 彼の理性は、まともに機能していないようだったから。

 そして真理愛さんの怒りを気にも留めず、「そう言えば」と軽く話題を変える。


「君は恋華さんにこれを持たせていたね」


 そう言って取り出したのは小瓶。バラの形をした、真理愛さんの血の結晶。


「っ⁉」


 驚く真理愛さんはちらりと私を見る。

 なくすなと言われていたものを取られていて、少し気まずい。