闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 ヴァンピールになんてなりたくない。

 私は真理愛さんの言う通りにしようと頷いた。


「じゃあ、櫂人には悪いけれど吸血させてもらうわね?」

「は――」

「ストップ。困るなぁ……私を無視しないでくれないか?」


 真理愛さんの確認に返事をしようとするけれど、大橋さんに止められてしまう。


「止めないで頂戴。恋華さんの処置が先よ」


 大橋さんは常に愛し気な表情を真理愛さんに向けているのに対し、真理愛さんは真逆なほどの冷たい瞳で彼を睨んでいた。

 それでも大橋さんは真理愛さんだけを熱い眼差しで見つめている。


「つれなくしないでくれ、私の“唯一”。君だって本当は私に会えて嬉しいんだろう?」

「そんなわけないでしょう!」