闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「まだ変化してないわよね? まだ人間よね? 早く瀉血を――いいえ、もう吸血した方がいいのかしら」

「まさ――真理愛、さん?」


 焦ってまくし立てる彼女は、声音も口調も完全に女性のものになっている。

 こうなると、元々中性的だったこともあって女性にしか見えない。


「どうして……?」


 どうして櫂人のお母さんが男装して私と一緒にいたの?

 どうして私はヴァンピールのなりかけになんてなっているの?

 どうしてあなたの血の結晶を薬だなんて言ったの?


 他にも聞きたいことがあり過ぎて、どうしてという言葉以外出せなかった。


「ごめんなさい、たくさん疑問があるわよね。でもそれは後よ。今は早く血を抜かないと」


 真理愛さんの焦りように、時間が無いんだと理解する。