闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 騙された、とは何故か思わなかった。

 ただ、どうして私は気付かなかったのかと不思議でならない。

 部屋は別々とはいえ、一緒に暮らしていたのに……。


 そんなことを考えているうちに二人は地下に下りてきたのか、この部屋のドアが開く。


「恋華さん!」


 すぐに私を見つけた彼女は、走って側に来て両頬を包むように私の顔を掴んだ。


「無事なの? 何かされていない? ああ……ガムテープ貼るなんて」


 心配そうにまくし立てる彼女は、「はがすわね」と断りを入れてから私の口に貼られたガムテープを一気にはがす。

 粘着力の強いタイプのものではなかったからそこまで痛くはなかったけれど、少しヒリヒリした。