でも、そんな称賛なんてなんの役にも立たない。

 だって――。


「でもすまないね。君にはどうしてもヴァンピールになって貰わなきゃならないんだ」

「っくぅ!」


 嘲笑しようが称賛しようが、大橋さんの行動は変わらないんだから。


「さあ、昨日君を連れて来てから丸一日経っている。あとどのくらいで君はヴァンピールになってくれるんだろうね?」

「っ⁉ まる、一日?」


 もしかしたら夜を終えて朝にはなっているかもしれないとは思った。

 でも、丸一日ということは今は次の日の夕方ということだ。

 確か、真人さんは今日までに治療を受けるようにと言っていたはず……。

 多少は猶予があるのかもしれないけれど、私に残された時間は本当に少ない。


 自力で血を流すことすら出来なくなって、もう後はどうすることも出来なくなった。

 こんなとき思い出すのはやっぱり櫂人のこと。

 迎えに戻ってくるから待っていてくれと学校で別れたきりの大好きな人。

 暗闇が似合う、私のダークヒーロー。


「櫂人……助けて……」


 打つ手がない私は、涙と共に助けを求めた。