「ここはどこなんですか? ハンター協会支部では、ないんですよね?」


 大橋さんから視線を外さないまま周囲を探る。

 灯りが点けられているから明るいけれど、窓の無い部屋みたいで今が夜なのか朝なのかすら分からない。

 どこまで連れてこられたんだろう。


「そうだよ。でも心配しなくても遠い場所じゃない。茜渚街の一角にある地下倉庫だ」

「どうして私をこんなところに?」


 遠い場所では無いことにひとまずホッとしたけれど、状況が良くなったわけじゃない。

 大橋さんを警戒しながら、問いを続けた。


「言っただろう? 君は真理愛を見つけ出すための有力な手がかりだと」


 酷薄(こくはく)な笑みを浮かべ、彼は答える。