闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「恋華」


 耳元で優しく呼ぶ声に、私は安心して身を任せた。


「櫂人……」

「……話は、大体聞いてた」

「え?」


 聞き返しながら見上げたけれど、櫂人は私を見ず目の前の女子たちを睨みつけている。


「金曜の夜、どうして恋華が茜渚街にいたのかと思っていたが……お前たちの仕業だったってことか」

「あ……貝光、先輩……」


 流石の彼女たちも、櫂人を目の前にしては怯む以外にない様子だった。

 凍てつきそうなくらい冷たい眼差しに、本当に凍ってしまったかのように固まっている。


「恋華は俺の大事な女だ。手を出すやつは女だろうと容赦はしねぇ」

「っ!」


 威圧感のある低い声に、私が言われたわけじゃないのに怖いと思った。