闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 ずっと想っている人がいるとかで、女嫌いってわけじゃないらしいけれど。

 しかも気軽に名前を呼ばれるのも嫌なのか、黒王子とか名字呼びじゃないと睨んでくるんだそうだ。


「……私、むしろ名字呼びで睨まれたんだけれど」

「だから、片桐さんは気に入られてるんだろってこと」

「そう、なのかな?」


 特に何かをしたわけでもないのに、気に入られているとも思えないんだけれど……。

 でも、ケンジくんの話が事実ならそういうことになる。

 そっか、だから女子には最初から良く見られていなかったんだ。

 私が何かしたわけじゃないのに嫌われるっていうのは悲しいけれど、とりあえず理解は出来た。