闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「見ていれば分かるよ。その櫂人くんのことがとても好きなんだね」

「あ、はい……」


 第三者から改めて言われると何だか照れる。

 でも、真人さんの思いはもっと深いものだった。


「君の生きる理由になってくれる人が出来て、私としても嬉しいよ」

「あ……」


 両親が亡くなって、私一人になって。

 近しい親戚もいないし、父親の転勤でヨーロッパを転々としていた私にはそこまで仲の良い友達というのもいなくて……。

 私のそばには誰もいないのに、一人で生きていく意味はあるんだろうかって思った。

 だから、事故直後のときは真人さんにも酷いことを言ってしまったし。

 それでも生きていたのは、両親の遺言と十二年前に櫂人とした小さな約束のため。

 かろうじてつなぎとめていたようなものだった。