場所も悪かったのか、私たちが乗っていた車両はほぼ縦の状態になってしまって……火の手も上がる中なんとか人は救出されたけれど、半数は亡くなってしまった。

 死因は圧死。

 私の両親も同じだった。

 助け出されたときはかろうじて意識があったらしく真人さんに私のことを助けて欲しいと伝えたけれど、その後すぐに亡くなったらしい。


「……]


 私の髪を撫でながら話を聞いていた櫂人は、途中から手を止め絶句したように驚いた表情で無言になった。

 まあ、反応に困る内容ではあるよね。

 そこそこ凄絶(せいぜつ)だし。

 でも変な感じに同情だけはされたくなくて、大丈夫だよと口にしようとしたんだけど……。


「……辛いな……でも」


 切なそうに目を細めた櫂人は、私をギュウッと抱き締める。