「んっ……かい、とぉ……」

「ああ……その甘ったるい声、ヤバイ。もっと聞かせてくれよ」


 キスで溶かされ恐怖も薄らいできたころには、逆に櫂人の中の熱が高くなってきたみたいだった。

 暑い吐息が私の肌にかかって、私まで熱くなってくる。

 柔肌に触れる櫂人の手は優しいけれど、確実に私を昂らせていって……。


「っは……れん、かっ」


 切なげな櫂人の声にきゅぅんっと喜びが湧く。


「好きっ……櫂人、だいすきっ」

「恋華……好きだ……愛してるっ」


 名前を呼び合って、気持ちを確かめ合って、私たちは肌を重ねる。


 貝が導いた私たちの再会。

 元々一つだった貝が合わさったように、私たちは一つになった。