闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 なんて思っている間にも、櫂人の話は続いていく。


「大橋さんは母さんの所在確認をしに来たって言っていた。ハンター協会は吸血鬼をある程度把握しないとないらしくて……で、いなくなったことを話したら……」

「……話したら?」

「……“唯一”を……見つけたんじゃないかって」

「“唯一”を?」


 “唯一”って、櫂人にとっての私みたいな?


「父さんは、母さんにとっての“唯一”じゃなかった。……でも仲の良い夫婦ではあったんだ」


 そこで一つ息を吐いて、櫂人はベッドに腰掛ける。


「父さんは、いくら“唯一”を見つけたといっても何も言わずにいなくなるはずないって言ってたよ。でも、俺は……」


 辛そうに語る櫂人に、私は手を伸ばした。

 辛く、悲しそうな櫂人を見ると胸がギュッと締め付けられて……抱き締めたいと思った。