闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 吸血鬼で《朱闇会》の総長をしていることは知ったけれど、家族のこととか、どうして今はここに住んでいるのかとか、そういう身近なことは何も知らない。


 知りたいな。


「……櫂人のお母さんも吸血鬼なんだよね? さっき思い出したけれど、十二年前の私のケガは櫂人のお母さんに治してもらったんだよね?」

「ん? ああ……てか、やっぱり忘れてたのか。まあ、小さかったしな」


 知りたいという思いのまま、聞いてみる。

 返事が普通にされてホッとしたから、もう少し聞いてみることにした。


「櫂人のお母さんは今どうしてるの?」


 でも、その質問をした途端渋い顔は深まる。

 傷ついている様にも見えて、聞かない方が良かったかなと少し後悔した。