闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

 おかしいとは思っていたんだ。

 そのときの話をお母さんとすると、ケガなんてしてなかったわよ? といつも言われていたから。

 そりゃあ、綺麗に治っていたならケガなんてしていないって思われてもおかしくはない。


 長年の疑問に答えが見つかって少しスッキリした思いでいると、カチャリとドアの開く音がした。

 振り向くと、上半身が裸状態の湯上り姿の櫂人がいた。


「っ⁉」


 肩にタオルを掛けただけの体は、筋肉質ではないけれどしっかり引き締まっていて余分な肉が無いように見える。

 軽くしか乾かしていないのか、しっとりと濡れた黒髪。

 湯上りで温まった肌はほんのり赤みを帯びていて、艶めいた色気があった。