闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「この人も、吸血鬼なのかな?」


 櫂人は親が吸血鬼なら子供は絶対に吸血鬼になると言っていた。

 ということは、お父さんかお母さん、もしくは両方が吸血鬼のはず。

 そんなことを考えていたら、脳裏に声が蘇った。


『これは秘密だからね?』


 声と共に、一場面だけだけれど映像も蘇る。

 綺麗な女の人が、私のひじを舐めている場面。

 そうか。

 さっき櫂人にひじのケガを舐めて治してもらったときに覚えた既視感。

 あれは、櫂人のお母さんに昔してもらったのと同じだったからだ。


 小さかったから、記憶も薄れてただ手当てしてもらったのだと思っていた。

 でも、手当てじゃなくて治してもらったんだということを思い出す。