闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「そういう存在だからなのか、他に理由があるからなのか。吸血鬼は自分の“唯一”を強く求める。気が狂いそうなほどに」

「気が狂いそうなほどにって……」


 流石に言いすぎなんじゃ、と思って顔を上げると、怖いくらい真剣な目が見下ろして来ていた。

 その目に宿るのは愛情か、執着か。

 とにかく、強く深い感情だということだけは分かる。


「俺もお前が“唯一”だって気付く前までは言い過ぎだろうって思ってた。でもな、誇張でも何でもないって知ってしまった」


 だから、と櫂人先輩は私のあごを軽く掴み固定する。

 浮かべられた微笑みは、蠱惑的にすら見えた。