闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「十二年前、初めて会ったあの日。今みたいに泣いてるお前を見た時から、俺はずっとお前だけを求めていた。……一目惚れだったんだよ」


 あの日、あの浜辺で共にいた時間は一時間もなかった。

 そんな僅かなひとときなのに、一目惚れしたというだけで十二年も想っていてくれたの?

 一途すぎるその想いは、人によっては重いと感じるかもしれない。

 でも、私は――。


「私もっ、あのときが初恋で……あのときの男の子が、櫂人先輩だと知らなくても……惹かれて」


 泣きながらだとうまく話せなかったけれど、どうしても伝えたくて声を出す。


「暴走族とか、吸血鬼とか……怖いと、思ったけど……でもっ!」

「ああ、分かってる。……好きだ、恋華」

「っ!」


 涙で途切れて一番口にしたい言葉を言えずにいたら、櫂人先輩が代わりに言ってくれた。