闇の総長はあたらよに運命の姫を求める

「恋華……さっきの貝殻、貸してくれ」

「あ、はい」


 ドクンドクンと、鼓動が大きく鳴る。

 緊張で震える手で、なんとか巾着袋から貝殻を取り出して櫂人先輩に渡した。

 無言で受け取った彼は、ゆっくり、慎重にお互いの貝殻を合わせていく。

 私は瞬きもせずに見続け、ゴクリと(つば)を飲み込んだ。


 二つの貝殻が、ピッタリと合う。

 元々は一つの貝だった証。


「――っ」


 息を呑んで、言葉が出てこない。

 ただただ感情が昂って、何を言えば良いのか分からなかった。


「ピッタリ、合ったな……」


 櫂人先輩の低い声が静かに響いて、お互いに示し合わせるように視線を上げる。

 黒い髪、黒い目の、男の子。

 成長した彼は、私を見てふわりと微笑みを浮かべた。

 切れ長の目が、眩しいものを見るように細められる。