「で、楓」

「は、はい」
私、また、すごい冷や汗かいてるよね!!?

今、国民的俳優に、壁ドン、されてます。


「100万円、どうする気?」

「い、今ですか!?」

「うん。今。」

「えーと。大事に、貯金しようかな?と思ってます」

私は、やっぱり金が好きだと思う。
庶民だと思う。

私の口角が上がったのだから。


「ふーん。じゃあ、貯金じゃなくて、指輪はどう?」

「えっ?」

「もう一回言う。……俺のこと、好きか」

待て待て!!!
話、外れたよね!?

でもーーーーーーーーーーーー

「好き、です」

ーーーーーーーーーーーー魔王様、好きです。

「ん。俺も、好きだから、結婚してくれ」

……ん?

えっ?


脱線してなかった!!!!

じゃなくて!!!

……結婚?つ、付き合うじゃなくて?
下に向いていた私の顔が、すぐに、上に向いた。

「ま、待ってください!!!私と結婚って早すぎーーーーーんんっ!?」

「もう。待ってられねえよ」

「んっ……ちょっ……待っ……ん!」



もしも、芸能人と恋出来たらどう思いますか?


もしも、芸能人と付き合えたら、どう思いますか?



そんな言葉が胸に響いた。



A.いいえ。芸能人なんて、興味無い方です。


ーーーーーーーーーーーー違う。そんなことない。



………だって、もう、自分の手で、痛感したんだから。


ーーーーーーーーーーーーもう。思い込みしない。



私は、伝える。
おじいちゃん。人脈すごすぎだよ。


私は。


大好き。


大好き。


ーーーーーーーーーーー魔王様が、私の王子様が。




大好きです。

魔王様が私の口を外した隙に私は言った。


「魔王様、結婚破棄して、ごめんなさい」

今、言いたかった。

だって。やっと。やっと。
ーーーーーーーーーーーー〝好き〟って気づいたんだから。

でも、魔王様は。

「ふーん。ここで言うとは、良い度胸。ま、良い。
お仕置き、もう1個換算されたからな」


やばい。ニヤニヤ、笑っておる!!!!!

「じゃ、キス10回以上の刑」


「……えっ!?……んっ!!?…んっ……」


10回以上って、はっきりしてないよね!!!?


魔王様は、ニヤニヤとずっと笑ってる。


「今、何回ですか?」と言ったら、「15回言った。」なんて自慢げに言っていて。
私は「数えてたんですか!?」なんてびっくりして、笑っていた。

その直後に。

「愛してる。楓」


ーーーーーーーーーーーー魔王様にキス、されました。



もう。降参です。



魔王様。




「命令されとけ、楓」

ーーーーーーーーーーーーやっと、叶った。



これは、ある少女が、魔王様にだんだん惹かれていくお話。
そして、魔王様も、もっと溺れていくお話。

その王政義數様=通称俺様魔王様は、変態でもあり、ある一人の少女を溺愛している人でした。


そして、魔王様の側近も、少女の親友もーーーーーーーーーーーー


「ーーーーーーーーーーーーま、待ってください!!!」

「ダメや、俺だけが好きの頭になれや」

「い、いきなりすぎますーーーーー!!!待って下さーーい!!」

幸せに過ごしました。

「ちがーーーう!!!私は、帝谷さんの彼女にはなりません!!!!」

「ほぉ?言ったのう?……言質取るぞ」

「……あれ、これ、どっかでーーーーーーーーーーーー「灯。俺を見とけや」


では、このお話は一旦、終わりということで。


【FIN】