「ま、魔王様?」

「何?」
にっこり、笑う、魔王様。

営業スマイルだと言わざる追えない魔王様の顔。
少しだけ、私の腕は鳥肌が立った。

だけど、それを気にしてる暇は無く。

「私のこと、なんて言いました?」

「さぁ?……行くぞ、楓」

またですかっ!?
えっ!?ちょっ、ちょっと!?

魔王様は私を担いで、お姫様抱っこをした。

「お、お姫様抱っこはいいですからね!?」

「いや、楓はそれを解除すると、逃げる」

「逃げません!」

「いいから、黙って、担がれてろ」

「……っ!?」
そして、私は魔王様に言われるがまま、担がれていた。