もっと、命令したい


「あっ!義ーーーーーーーーーーーー「可愛いよな〜。塔堂灯」

えっ?
私は數くんの友達の方を見る。

「お前は、顔しか見てねえじゃねえかよ」

また、ハッと笑っている、數くん。

「お前もだろ!秋風楓ちゃんのこと、好きなんだろ?」

……えっ?
秋風楓?誰?それ?

「さぁな」

「ごまかしたな!?」

「さぁ」

「か、數くん?」

今、思えば、數くんも鈍感だ。
私の思いに気づいてくれなかったのだから。


何で。あの子?


私より、ブサイクじゃない。
普通の子だし。庶民的な非常に普通の子。

……だけど、隣の子、綺麗だけれど。

それと見比べると、あの子が普通すぎる顔だ。


もう。


何で。





あの子、なの?



ーーーーーーーーーーーー數くん?


私は數くんと出会った日のことを思い出しながら、
數くんを心の中で質問していた。