私、姫咲花奈は、王政義數、數くんのことを、
あの子より、もっと前から好きだった。

「ねえっ!よろしくねっ!姫咲さん!王政さん!」

數くんと私は、小学生の時に出会った。

私は、小学生にしては、大人っぽかったから、
小学生の遊びなんて、興味が無かった。

だけど、數くんも。

「お前、何で外で遊びに行かねえの?」

大人っぽかった。

なぜか、その一言で、胸が高鳴って、
自分の瞳が、視界が輝いたような感じだった。

「……っ!」

「……?どうした?」
ボールを片方の手で持ちながら、私の顔を伺う數くん。

「……な、名前、なんて言うんですか…?」

「王政義數」

「わ、私は、姫咲花奈です。よろしくおね「よろしく。花奈」

「……っ!?いきなり、呼び捨てですか!?」

「いいじゃねえかよ」
はっと笑いながら、私を見てた。

なんだろう。この人。
すごく、何かを背負ってる気がする。

私はその笑顔を見たときに、一瞬にして思った。

「よろしく。數くん!」
ここから、私と數くんは友達になった。

けど。


私の恋は儚くして終わったのだ。
9年間という短い年月で。

(十分、長いと思いますけど……!?by作者)