そう思ったとき、ちょうど、時計塔に着いた。
けれど、祭りの片付けがされていて。

時計塔で待ち合わせを約束していた時間がとっくに過ぎていた。

ーーーーーーーーーーーあれ?いない。


私は、色々な予定が1日に入ると、忘れてしまう。
そういう癖を持っている。

その癖を始めて、恨んだ。

“きっと”行けると思ったのは灯の家に居候している、秋風楓だ。
馬鹿すぎる。

自分を貶してしまうのだろうか。

あぁ、私って、思い込み、強かったんだ。

あははは……。
私は時計塔の下にあるベンチに座って、コンクリート製の床を見る。

『魔王様に会いたいです。』

私は携帯のアプリに打った。
だけど、勇気が無く、その文章を消した。


『どこにいますか?』

いや違うよな。……“きっと”、もう、帰ってるし。

私はまた、その文章を消す。
そして、私はまた、落ち込んでいたとき。

ピロロン。

……ん?

携帯を見たら、魔王様から、連絡が来ていて。

『今、どこにいる?』

魔王様。

『時計塔の前です』
私はすぐに、言葉を返す。

『じゃあ、森のアーチがあるだろ?』

『はい。』

『そこに入ってくれ。そこにいる。』

『はい!分かりました!』

私は連絡をしていた、携帯の電源を消して、時計塔の近くにある、森のアーチの中に入った。