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昔の話だ。
ある国に、1人の姫が産まれた。
王様とお妃様は、涙が出るくらい、大いに喜んだ。
だって、何回もお腹の中に赤子がいたが、そのお腹の中で死んだり、
産んで、死んじゃったりする赤子などが何人も犠牲になった。
その1人の姫は、独りぼっちだった。
姫のお父様、お母様=王様とお妃様と少しだけ、わちゃわちゃと遊ぶぐらいで。
それ以外は、広いお部屋の中で独りぼっちだった。
年が経った頃、お姫様は、16歳になった。
16歳になったということは、後宮に出されるということだ。
そう。この国には、16歳になったら、姫さまの部屋より、もっと広い後宮に出されるのだ。
分家が住んでいると言われているが、
本家が、最も大きい後宮で、その後宮には、四方に少し高い、壁が建ってある。
そして、本家の姫さまには、〝恋〟をしてもらう。
この国の古き話では、〝恋〟というのは、この国に絶大な幸福をもたらすと言われており、
この国の妃、姫に産まれたのなら、絶対、色々な男(この国では漢子と書く)に恋をされるのだ。
そして、色々な男と言うのは。
姫さまと小さい頃から、馴染みのあった、漢子6人。
その6人の中の1人を選んで、本国の妃、王となる。
そして、その〝恋〟が、実った瞬間。
分家と本家で、盛大に祝うのだ。
その翌日には、庶民と一緒に祝う。
もしかすると、庶民の店や家に、次の妃と王が来るかもと言われている。
そして、その最後には。
ーーーーーーーーーーーー“2つ”の花火大会が行われると言うのだ。
そう。“2つ”。
分家と本家を祝うと言われているし。
分家が妬み、本家を花火で見返してやろうと言われてもいる。
様々な噂が飛び交い、今、現代に至るのだ。
これが、この花火大会の昔話。
もしかすると、噂かもしれない。
信じるか信じないかは自分次第。
その噂で妄想小説などで、書店に売られたりしている。
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