もっと、命令したい


「じゃあ、行ってらっしゃい!楓!!」

あれ!!?さっきの切ない顔はどこ行った!?

「終わったら、話、聞かせて。楓」

あれ?前も同じような言葉を!!?
……って、時計見たら、魔王様の待ち合わせ時間、もう、とっくに過ぎてる!!?

「存分に、お仕置きされてきてね。楓」

そんな先輩の意地悪の笑みと声は、私の耳に届かなかった。

だって、私は焦りながら、
下駄で、魔王様と待ち合わせしている、時計塔の前に向かっていたのだから。