「はぁ〜。スッキリした」

「……えっ?」

「楓は知らなくていいよ」
なんて先輩と話しながら、次の時限の教科書などを用意するため、先輩と一緒に教室に向かう。


……だけれど。


……?!

私は、先輩と一緒に目を見開く。

だって、私と先輩の真っ直ぐ先に……


……いるんだから。

あの人が。


……ん?こ、これは夢…?


そうだよね!夢だよね?

こんなところに王政義數がいるなんて……ねー……!!

私は目をパチパチと瞬かせる。
けれど、夢だと思っている楓の瞳は覚めない。


……じゃ、じゃあ!!目を擦れば!!

ゴシゴシッ。
そんな小さい音が私の耳の中で鳴る。

だけど。


夢……じゃない……。



……と、いうことは……?

現実に、今、私が立っている地にーーーーーーーーーーーー




な、な、な、んで……!?

なんで、ここにいるんですかっ!?

ーーーーーーーーーーーーいると、いうことだ。



お、王政義數=魔王様が……!?


そう。王政義數が。魔王様が。


ドドンっと音が鳴りそうな立ち姿で、私と先輩を睨み返している魔王様。


……ど、どどどど、どうして!?!!



い、いるる、の!!!!?

動揺すぎて、目が泳いでいることも、はたから見れば分かるけれど、
私はそんなの気にしてない。

この学校に、有名な2人がいるんだから。

なんだろう。

私は、悪運を持っているのだろうか。