私も灯も先輩も、私以外のクラスの子も、その男の子を見る。

先輩呼びってことは……後輩?

「はいっ!」
私はお箸を咄嗟に机に置いて、後輩の方へ向かおうとしたとき。

「……っ?先輩?」

先輩が私の腕を掴んだ。

「楓、行くな」

「えっ?」

「なになに〜?AoBaくんは楓には行って欲しくないの〜?」
「そうそう!!AoBaく〜んぅ〜?」

私はびっくりしているのに、灯と祐美2人は、ニヤニヤと笑っている。

……?何で、ニヤニヤ?


「……ちげえよ……俺も付いて行く」

「……えっ?」

「やっ〜ぱっり〜そうじゃな〜い〜!」
「灯と同意〜見〜〜!!」

……ご近所のおばちゃんか。

まだ、ニヤニヤ笑ってる。


「お前ら、覚えておくからな?」

先輩の笑う笑顔は……一見、綺麗な爽やかな、笑顔だけれど、灯と祐美は。


「………っは〜い!」
少しだけ縮こまりながら、灯と祐美は返事をしていた。

黒い微笑みだと思ったようだ。

私もそう思った。


これは怖い笑顔ですからね〜……目を合わせないでおきましょう…!

私は先輩と一緒に私を呼んだ男の子の方へと向かった。

それを見ていた……その男の子は。


「………チッばれてるのかよ」

なぜか、舌打ちをしていた。