「優未(ゆうみ)が、引き取ってくれって言ったから……あなたを引き取りに来たわ」


優未……母さんの名前………っ。


母の姉に該当するのか、俺が1人暮らしをしている時に扉を開けて、俺に言って来た。


そして、俺は年長〜中学生まで、その人にお世話してもらった。
……んで、中学生になったら、「もう独り立ちできるでしょ?」って言われて……あの人は。


出て行った。

事実・意味:あの子(義數)の面倒がめんどくさいから逃げた。

もう、そんなの分かってる。
中学校と高校は親父が残してくれた人脈で、校長が心優しく入れてくれた。

そして、その学校がすごい楽しかった。

クラスにも馴染めて、友達もできて。

心の中にあったトゲトゲが……丸くなって行った。


そして、もっと丸くなったのは。


「ここ……どこですかね〜!?もしかして……高校の図書館ですかね〜?!」

なんて、みんなに笑顔で聞いていた……あいつ……楓だった。


っ……もう、あいつの虜になる。

あいつの……楓の……笑顔がーーーーーーーーーーー



「……出来ましたっ!!……あ、灯?」


ーーーーーーーーーーー可愛いすぎた。


「……王政さんっ……もしかして……楓の虜ですかっ……?」

あいつと一緒のやつが、恐る恐る聞いてみるのが、俺にも分かる。


「……っそんなわけねえよ」

俺は、否定する。

だって、俺はそんなことはないんだから。


「そういう人たちは……“好き”っていう証拠なんですよ………!」

と、あとで、俺が分かった、楓の親友、灯が……ニヤニヤと笑いながら、俺に話していた。




そして、俺は悲しいこと……いや、面白いことに高校生活は、1ヶ月で終わったのだ。


あの、母の姉、まぁ俺から見たら叔母が、家族の血統を利用して。



『王政義數を……退学さしてください!』


そう言ったらしい。


俺はハッと渇いた笑いをとって、俺は学校に……いや、楓に心の中で、別れを告げた。

そして、俺は別れを告げるとともに、自分で誓った。

俺は絶対、楓が覚えてなくても………



……迎えに行く。



その1ヶ月後、俺は正志ジジィが荷物が重そうに道路を歩いていたから、
重い荷物を持ったら……スカウトされた。そして……救われた。


『君、この事務所入ってみない?』

意味:芸能界、入ってみない?

『はっ?』
最初、俺はびっくりした。

俺なんて、父さんと母さんがすごいだけの息子。

だから……俺なんて、ただの親がすごいのと、運動神経抜群、頭が良く、顔が綺麗なだけなのだ。

(十分すごいと思うけど……!!?by作者)


そして、俺は……正志ジジィのお誘いを……

『す、すいません……お、お断りします』

断った。


『……?なぜかね?』

『……俺はただ“人”なんです』


『……人?…どういうことだ?』
興味津々そうで、正志ジジィは俺に聞いてくる。

『芸能“人”ではなく、一般“人”……ただ“人”なんです』

俺は、思うままに話す。

『……それは、芸能人が一つ上の存在だと思うのかい?』

『……はい。すいません、芸能事務所の社長の前で……』

『……うーん。それは良いんだけどさ……なんで、芸能人は一つ上の存在だと思うんだい?』

『……それは……俺は「イケメン。イケメンだ。」って言われているんです。だけれど……芸能人は……顔だけじゃないんです。一般人よりオーラがすごくて、演技が上手いんです。……俺は小さい頃、見た事あるんです。……だからっ……無理です。その世界に入って、その……一つ上の“人”になるには……無理です。』

『……うん。良いね?…じゃあ、その熱を……君の才能の“箱”に注がないかい?』

『えっ?は、箱?』

『……要するに……君は…芸能界に入るべき……そして、才能を、ワシらたちに咲かせてくれないかい?』

その時、俺の瞳は………また、……輝いた。

その正志ジジィの後ろに……母さんと父さんの笑顔の面影が見えた。


あぁっ……母さん、父さん。


ありがとう。そして、見ていて。


俺は……愛しき人を見つけるのと……夢を叶える。

絶対に………!