だんだん、俺は楓に惹かれて行った。

「……かっこいい声ですねっ!アニメとかだったら、私、惚れそうですっ!」

「……すごいですね!!よく分かりましたね〜?!」

だけど、俺がだんだん、意地悪になっていたときに。


「……はいっ!?……放送委員会…いいかもしれませんねっ!」


「……オレンジジュースで、いいですねっ!?」


すごく怒っていたけど、それが愛おしかった。

だから、意地悪がだんだん大きくなって、楓には悪い印象を与えているけれど。

悪い印象ではない。
……だって、猛アタックして、俺以外を見れないようにしてるんだけれど……ねー?

だけれど、ある時、楓は言った。

「私……彼氏が出来ました。」

「……えっ?」

ふふんっと鼻を切らしながら、俺に言ってくる楓。
それに動揺を隠せない俺。


「………相手は?」

恐る恐る俺は、聞いてみる。


「兵雅です!」

「兵雅?」

「横井兵雅です……知りませんか?」

「あっあぁーあいつねー。」

知ってる。
あいつは……女をポイントしか思ってねえやつだけど。

楓の顔がすごく良い笑顔で。

楓に聞いてみたら、初の彼氏らしいけど。

俺は嫉妬が隠せなかった。
オーラが、半端ないと楓は言っていたけど……

横井………。

許さねえぞ?楓をポイントで見るのは。

なんて思いながら、俺は空を見渡した。



そして、俺は、高校は楓と違った。
中学校は、高校と統合してるけど、俺はそっちには行かなかった。

俺は、声優を目指したかった。

楓が言ったことが、すごく嬉しかった。
本当に。すごく。

だから、声優を目指すため、声優の基礎などを学ぶ学校へ行った。

そして、都会の駅で、スカウトされ、モデルをやって、声優もやり、今に至るというのだ。