もっと、命令したい



「あ、あの……バレーボールかっこいいですねっ!!」
「私、知らなかったんですけど……」なんて、俺の目の前で話す。

はっ?

……なんで、俺の前で……?

と思って、そのことを口に出したら。

「……それは!先輩がカッコよかったからですよ!!綺麗なサーブで……楽しそうにやっている顔がすごくカッコよくて!!!」

「……っあ、ありがとな」

すごく嬉しかった。

「先輩っ!タオルですっ!」
なんて言うやつはいたけど、追い返した。

だけど。あいつは。

素直なことを口にしてくれた。



「……ねえ、秋風さん。……どいて」

こいつ……。


「……えっ?」

「私が先に予約しといたの…ですよねぇ〜!透っ!」

あいつ……隣のクラスの美女と騒いでいる女じゃねえかよ。

……興味はねえけど、俺の友達がキャッキャっと話していたから聞こえていたけど。


「おい。名前知らねえし、透って呼ぶの誰がいいと言った?」

「……っ!?だ、だって……お、同い年じゃんっ!!いいでしょ!!」


「……おい、俺の顔目当てだろ。さっさと帰れ」

俺は睨みながら、女、美女を見る。


「……っ…「行こ〜っ……!最悪!子王葉〜!」
なんて隣のクラスの美女の隣にいた女子たちが、美女を慰めながら、去って行った。