「……ねぇ!數くん!この後……用事って…「あるよ。お前は帰れ」

「……っ!!なんでそんなこと言うの〜〜!!」

「さっさと帰れっつてんだろ。花奈」

「……っ」

「……ねえ。俺、聞いてるんだけどさ。この人って誰?」
「……っお前、知らないのか?」
「えっ?」

「日本を代表するHINAだぞ?」

「HINA?何それ?」

俺は、あいつと話していたとき、なぜか、違和感を感じた。

なぜだろう?とも思ったけど、それどころじゃなかった。

AoBaは、HINAを知らないということだ。

記者がそれを知っていたら、すぐネット記事にアップしていただろう。
TVで取り上げられる記事ではないが、ネット記事にはなる。

……ではなく!

俺は……あいつと喋ろうと思ったんだったんだよ!!



「……ほら、雑誌の表紙とかで飾ってる……

「あぁ〜見たことある〜。……楓を…懲らしめようとしたやつ」
ギロっと、花奈を睨みながら、花奈の図星を突こうとするAoBa。

「……っ!!?」

その図星を突かれようとしていた張本人はーーーーーーーーーーー

……?

なんだ?なんで、花奈があんな青ざめた顔してる?

ーーーーーーーーーーーすごく、青ざめた顔をして、下を向いていた。


「……な、んで、あんた知ってんの……?」

「……ん?それはねー秘密だよ……HINAさん?」

ニコニコ笑顔だけど……あいつ、俺と同じような裏は目が笑っていない笑顔だ。


「秘密って……」
少しだけホッとしたような顔で、花奈はAoBaを見る。

俺は見逃せねえよ。

ホッとしたってことは……安心だろ?


「………おい。お前、楓に何やった?」

「な、何やったって……し、知らなーい!」

「……言え。AoBa。教えろ」

「……っしょうがないなぁ〜。だけど、俺、助けに行けなかった話だけど……「早く喋ろ」

「……はいは〜い」

AoBaが、流暢に花奈が楓に何か仕出かしたことを話していく。


楓をビンタしたこと。

俺に二度と近づくなと言ったこと。

などなど。
楓に精神的に追い詰めた。などと、AoBaがそう俺に言った。