もっと、命令したい



俺が必ず………安心させられる人、彼氏になるから…………。

だから。どうか。


………王政義數の“もの”には………。



なるな。







『楓?どこにいるんだ?』

先輩が私に語りかけて来る。


……?……どこって…。

「王……ひゃっ!?」

居場所を言おうとしたら、
私の首に魔王様の唇が……私の腰に魔王様の腕が……あてられる。

「……ちょっ……ひゃんっ!?」

『……?…変な声出して…どうした?』
先輩が天然、少しだけ鈍感で良かったと思っているけれど。

今は………私の首に……腰に……魔王様が私の体の一部が触っていることが驚愕のこと。

「だ、大丈夫ですっ……!!」

私は携帯にさっきの変な声より大きい声で言う。


だけれど………魔王様が私の片方の耳元で……

「前のマーク……ねえし」

囁く。

いつから、耳元に移した!?
と言いたいところだが……腰も触られているからそれはすぐに消え。


「……えっ?」と私は、驚きの言葉を発していた。

その言葉を発していたときには……私の首に魔王様の唇がゆっくりと付きそうなとき……。


「……待って!!待って!!!」

私は小声で言ったら、魔王様の唇が止められる。と思ったところだった。


「……ひゃっあ!?」

私の首を食んで、キスマークを……つけようとする。

「……やぁっ、めて……!」

キス音が大きい家中に響く。

魔王様の執事、怜さんは……?というと、休業中なのだそうだ。
午前は働くけれど、午後から明後日まで、休業するらしい。


そんな話をしてる場合ではない!!

今にも、私の腰にある魔王様の手が私の服に入り込みそうではないか!!


「……んっ…!!」

足をもぞもぞと私はソファでする。

「……はぁっ…興奮する……
唇やりてえけど……我慢する」

「……っ!!」

今、思った。

私は……捨て駒だ。
唇はやらないなんて……好きな人がいる証拠ではないか。

好きな人。
もう咄嗟に、すぐに浮かび上がる。

……は、花奈、さん…か……。

私はそんなことを考えられてしまっていた。

だって。
私はただの、捨て駒、いわゆる、遊び相手でしかなかったんだから。


「……腰にも、上書きしないと」

もう。
やめてくれ。私を惑わさないで………。

今で……2回目なんだから……もう。

魔王様がーーーーーーーーーーーー


「……楓……俺は……お前が……「ーーーーーーー私は嫌いなんですっ……」

涙目言う私は、魔王様に衝撃的な感情を与えていた。

そして、それと同時に。


ピーンポーン。

魔王様の家のチャイムが鳴る。


私は咄嗟にチャイムが鳴った方に視界を向ける。
それは、魔王様も同じだった。

電話から先輩の声がする。

『……おいっ!!大丈夫か!!楓!!』

私は電話を見る。
だけれど、私の耳にはその声は二重に重なって聞こえた。

……?

もしかして……?

と思ったと同時に私の口が魔王様の片手によって塞がれた。

「……んっ?!」

「……シー……お前がいたら、あいつは大変なことになるから……
ここで……さっきのやるか」

「……?!」

声が出なかった。

か、簡単に言っちゃうんだから……。

……もうやめて欲しい。

私を……惑わすのは。

私は両手で魔王様の服を握った。


「………っや、めてっ……」


「……それ、逆効果だって知ってる?」

「はぁっ」とため息を吐いて、私の首を触る。
私の肩がビクッと震える。

や、やばいぃ……よー。

私は目を瞑って、手はもっと強く、魔王様の服を握る。

「……マジで…可愛『「おいっ!!いんだろ!!!腹黒魔王!!!」』

………?!

腹黒魔王……?!
私がそれと思ったと同時に、魔王様の額に……血管が浮き出ている。


「……怜がいればいいんだが……はぁっ対処するか」

た、対処って………!!

人にその言葉を使っちゃいけないんじゃないっ!?

「……わ、私も行きますっ…!」

私は無意識に魔王様に好きアピールでもうアタックする。
だけれど。

「行かなくていい」

断られた。


「えっ?」

「お前はゆっくりしてろ」

「……っは、い」

好きです。

って言えればいいのに……。



私と魔王様の差(ハードル)が凄すぎて……行けないっ……。



「……あ、あの…ま、魔王様っ……『「開けろ!!!」』

……っ!?

「……っ…!!!行って来る……楓は……来るな…男と男の戦いだから」

やばい。
魔王様の額にもっと血管が浮き出てる……!!!

「じゃあな」と言って、扉の目の前に魔王様が向かっていた。

そのとき、私は……魔王様が。



遠く感じた。