「……バレちゃったかー……というか、いくぞ。家。なんで、いたのか聞かせてもらう」
ひ、久しぶりの甘々からの……俺様……だーー!!
なんて、私はヒーヒーと焦っていたときには、魔王様の家の敷地に入っていた。
…………………
………………
……………
「……んで、どういうことだよ?」
「……へっ?」
つい、変な声を出して、魔王様に返事をしてしまう。
そう、今、現在、私は、床に座っています。
魔王様が高そうなソファに座り、私がその床に座っている図。
城じゃないかぁーーー!!
魔王様が、「どうした?」と尋ねて、奴隷が「は、ははは、はははいいいっ!!」なんて怯えながら言いそうな図だけれど、ここ、現代は魔王様(王政義數)と対等。
「……はぁっ。なんで、おまっ…じゃなくて、楓は、AoBaのもとにいたわけ?」
「……えっ?あ、あぁー。学校のときに誘われてー。」
目が泳いでいることが、自分でも分かる。
そして、背中に冷や汗を非常にかいているのも。
「へえー。そうなん……だ?」
怖い!!怖い!!!
先輩の怖い顔よりも怖い!!!
魔王様の顔が、本物の魔王様の顔へと変わって行く。
そのことが慣れていたのか、私はすぐ分かった。
……だけれど、その本物の魔王様の顔よりも……過去一番の怖い顔で、魔王様は私を見ているので……。
怖い!!ですっ!!!
「……AoBaと友達だったんだー……じゃねえよ…上書きさせろ」
そう言い終わったとき!!
プルルルルッ!!プルルルルッ!!
魔王様の家の大きく、広いテーブルに置いていた、私の携帯が大きい音(着信音)で鳴る。
……っ!?
私はビクッと肩を揺らして、携帯を取る。
携帯に表示させられていた名前は。
『先輩』
と上に表示させられていた。