私はね……?

自分で結婚、婚約破棄を貫いて。

自分で婚約破棄を願い。

自分の考えだけで、婚約者=王政さんを置いて、(いえ)を出てって。

「幸せになってください……」なんて言わなければ良かったし。

もう。反省して……いるのかも。
反省しなくて、良いという自分も。良くない自分も。

どっちもいて。

考えないようには私はしている。

魔王……様は……考えたくない。

────私なんて………これっぽっちも見えて……いないから。


いや、魔王様の(いえ)にいた時はそりゃあ、めっちゃ見えていたのかもしれないけど。

あんな甘々は……私以外も見ていると思うし。


『結婚破棄してください!!!』



もう。自分で決断したことは……後戻りは出来ないのだから。

「ごめんなさい。魔王様」とか。

「やっぱり、婚約破棄は……やめましょう」とか。


言えば良かったのかもしれない。


──────キーンコーンカーンコーン。





学校の鐘が鳴り響く音は……私の耳にはうるさく聞こえていた。









────────ガラガラッ。

担任の先生が、扉を開けて、出席簿を持ちながら、教卓に来るのをクラスのみんなは視界で捉える。


「……コホンッ。えー……お前たちのクラスに、転入生がやって来ることになった。」


……えっ?


えっ……?



「「「えええっ!?」」」

意気投合のように、私たちのクラスは、一緒に驚愕の言葉を発す。