「出来たっ!!」
やっと出来たー!!
心の中で思ったことと、私が言ったことは、同じになりながら、私は、先輩の服装を見ていた。
先輩の服装を見た店員さんも、「綺麗ですっ!!」「さすがは……AoBa様!!」なんて声が飛び交っていたりしていた。
男の人は「かっこいい……!!」の一言。
まぁ。頑張りました!
【先輩の服装紹介!】
深緑のグラデーションと、袖の端に、赤があり、ジャケットの中に白の服。
ジャケットには、少しだけボロが出て、二の腕が少しだけ出ている。…白の服=Tシャツは、前は『INC』と筆のフォントで書かれていて、後ろは青や黄色のインク飛びがあって、かっこいい。
ズボンは黒から白に変わっているグラデーションで、水墨画っぽくかっこいい。
そして、靴。ここだけは、先輩が選んだ靴だ。
綺麗なギャンギャンの青のブーツで、靴紐がギャンギャンの黄色。
少しだけレインボーだけれど、黒が上半身と下半身にあってカッコいい。
上半身は耳のピアスで、下半身はジーンズ。
ジャケットを脱いだでかっこいいし。
ジャケットを着てもかっこいいし。
ジャケットをTシャツに羽織ってもかっこいい。
まぁ、イケメンは最強……なのかな?
と私は思っていたら。
「支払いはブラックカードでもう済ませてるから。
……じゃあ。……行くよ。楓。」
「へっ?」
私は変な声を出す。
そんなことを気にする暇はなかった。
パシっと先輩は片手で私の片方の腕を掴み、この店を全速力で走って出て行った。
店員さんたちは気にせず、店の前でお辞儀をして、「ありがとうございました」を表していて。
私はそれを一瞬だけ、見て、先輩の後ろ走って行く。
ええええっ!?何っ!?
“行くよ“って!?
タグ、まだ付いて……って、タグ付いてないっ!?
お金、支払いしてるって先輩って言っていたけど…してる姿……見てないし……!
なんか、私の頭、追いつかないんですけど……?
私は何も分からぬまま、先輩が私の腕を引っ張っていて、先輩の背中の後ろを見ている。
走っているのは分かるけれど……なぜ、先輩が私に『行くよ』と言ったのは分からなかった。
「……あ、あのぉー?」
「まぁ、付いて来て」
「は、はい」
こういうときは、私は先輩のことを信じてしまう。
いや、事実は、私の頭の中が追いついていないからだ。
はい。
先輩のことは……すごく信じていませんから。
私は先輩を見ると、『信用』が出来なくなってしまう。
だって、先輩が、私にすることは…………
いつも、
嫌なこと(私がびっくりすることなど)なのだから。