──────ピーーンポーーン


間の抜けたインターホンでわたしは目を覚ました。



「んん……いま何時?……5時?ふざけんな……」


悪態をつきながら頭から布団をかぶる。

せっかくいい夢を見ていたのに……。



──────ピーーンポーーン


……──────ピーーンポーーン


…………──────ピーーンポーーン。ピン、ピ、ピン、ピンポ、ピーーンポーーン


それでも無視していると、終いには隣から壁ドンをされた。

ここの壁は薄いから伝わってしまったんだろう。



「だあぁもう……!」


全身を使って起きあがったわたしは、どすどすと玄関に向かう。

バンッとひらいたドアからつめたい冬の風が入りこんできた。



「ちょっと!いま何時だと思って────」

「よ、おはようさん」


わたしが口をひらきかける。

すると向こうは「あー待て待て」と手で制すようにした。