ハンカチから顔をあげたナナちゃんの小さな鼻は赤くなっていた。
「……瑠衣にもわかってもらえるかな」
「きっとわかってくれるよ。だってふたりは最強で最高の友だちだもん」
「なにそれ」
ナナちゃんは思わずといったように微笑んだ。
朝露に濡れた花がそっとひらくように。
「いいのかあまり?」
「なにが?あ、ハンカチのこと?それはまた今度返してくれるって──」
「あいつ、最後まで謝らなかったぞ。今までお前にしてきたこと、謝らなかった」
「……いいんだよ」
きっとナナちゃんは、ナナちゃんも、自分とわたしが似ていると心のどこかで思っていたんだろう。
わたしを責めることで、同時に自分自身も責めていたんだと思う。
人間は完璧じゃない。みんな、それぞれどこか欠点がある。
ナナちゃんにもあるし、もちろんわたしにだってある。
生きてたら間違えることだってあるよ。
「だから、もういいの。ナナちゃんがこれから少しでも生きやすくなってくれたら、わたしはそれでいい」
「……お人好し」
「それよりお弁当!今日はわたしのリクエストのハンバーグ入れてくれたんでしょ?」
楽しみすぎる!はやく行こう!
そうしていそいそと教室に帰ったわたしは、お箸をベンチに置き忘れてことに気付いて、ふたたび購買にお箸をもらいにいったけれどすでに閉まっていて、それでもなんとか調達して教室に帰ったと同時にお昼やすみの終わりを告げるチャイムに斬り捨てられた。
結局ハンバーグもといお弁当は放課後になってから美味しく頂いたのだった。



