ナナちゃんのひみつを知ってしまった。

それも、たぶん親友の瑠衣ちゃんでさえ知らないようなひみつを。

よりにもよってわたしが、と。きっとナナちゃんも思っているんだろうな。


もちろん誰かに話すつもりなんて毛頭ないのだけれど。でも……



「考え事か?」

「うん……あ、ううん!なんでもないの」


わたしはあわててルーカスくんに手のひらを振った。

あの日から数日。わたしはかなり困っていた。


……どうしよう、忘れられない!

やっぱり、なかなかに衝撃的な光景だったナナちゃんとアンドロイドのキスシーン。

そう簡単にわたしの頭から離れてはくれなかった。



「ごめんね、せっかく一緒に帰ってるのに」

「別に、それはいいけど……」


ちらりとルーカスくんが見やったのはわたしたちの少し後ろをついてくるノアだった。