……本当はお父さんもお母さんも仕事がなくなったわけじゃなかった。
わざわざ家に持ち帰って、寝る間も惜しんで膨大な量の仕事を捌いていたの。
蓄積されていく疲労はかなりのものだったと思う。いつ倒れたっておかしくはなかった。
でも、わたし、そんなの全然知らなくて、気付かなくて。
あとから伯母さんに責められたんだ。
あんたのせいだ、あんたのせいで弟は死んだんだって。
神さまはわたしに与えたのは、奇跡じゃなくて罰だった。
わたしがわがままばっかり言って、いつも自分のことばかりで、どうしようもない──悪い子だったから。
わたしは本当にいらない子になっちゃった。



