ブルー・ロマン・アイロニー




わたしが癇癪を起こしてアンドロイドに八つ当たりをするとね、いつも温厚なお父さんは決まってわたしを怒ったんだ。そんなことをしてはいけない、って。




────いいかい、あまり。彼らだって、生きているんだ。



それがお父さんの口癖だった。

お母さんもきっと同じようなことを思っていたはず。


あはは……本当に、どっちがふたりの子供なの、って。

そのときは本気で悔しかったし、悲しかった。

もっとわたしを見てよ、生きているのはわたしも一緒。



────わたしはいらない子だったの?


もちろん本気でそう思っていたわけじゃない。

自分のことをいらない子だって言うと、お父さんもお母さんもわたしに優しくしてくれる。

それを知っていたから。


だからふたりを試すように、愛を確かめるように。

何度も、何度も、言ったんだ。